育児講座 No.4  誘惑対策

 
   

 
      産まれたわが子を胸に抱いた時、脳裏をかすめたのは「この子は無事に育ってくれるだろうか?」 というかすかな不安でした。病気、事故、そして犯罪など心配は尽きません。そしてこの子が出会う であろう様々な誘惑に負けないだろうかと言う不安でした。  
        子供達を取り巻く世界は、様々な誘惑に満ちています。長男が小学生の時に市教育委員会の補導委員を 5年ほど務めましたが、定例の会合で耳にする地域の子供達の非行の情報はいずれも心を痛める物ばかり でした。  
        青少年を取り巻く環境は劣悪そのものです。地域に在るテレクラのカード自動販売機の問題。そして 駅前のデートクラブのホステスをしている女子中学生の多さ、学童を使った暴力団がらみの麻薬の売人 やシンナー吸引、耳を疑った年間家出の生徒数 1中学校300名越、小学3年生女子による集団万引きの摘発店に対する大復讐事件。これらは私が知った 邸宅が並ぶ、平和な住宅地で起きている非行のほんの一部分です。  
        親の心配をよそに我が家の子供達はあたり前に育ってくれました。一体どんな手を 打ったのかをお話ししましょう。  
       簡単です。「我慢する事」を小さい時から教えました。「必要なもの」は与えましたが、「欲しがるも の」は一切与えませんでした。人の持っているものを持っていない事は子供には耐えられないストレス の様ですが、「ダメ」を通したのです。子供はあの手、この手を尽くしますが与えません。幼いうちは、 帰省の折りに上手に祖父母にチクッて手に入れていましたが内孫が出来てからはその手は駄目になりま した。我が家はお小遣いを与えませんでしたので、お年玉や、お稽古事のバスや電車の代金を歩いて少 しずつ貯えて、自分で購入していました。  
       欲しい物があったら自分で我慢して、努力して手に入れるという当たり前の事を教えた のです。  
       子供達の将来には際限なく何処までも誘惑が潜んでいます。親の目と手の届く内はなんとか助けて上げ る事が出来ますが、親の手を離れたら自分の力と責任で生きて行かなければ成りません。  
        欲望を自分の意志でコントロールする事が身に着けば、大抵の誘惑は避ける事が出来るのではないでし ょうか。そして、子供が欲しがっているのは実は物質ではないと思うのです。特に子供が小さい内は親 とお話ししたり一緒に遊んだりすることを切望しています。そのために親が子供との約束を必ず守り、 自分が大切にされている事を実感させてあげれば、子供にとって物の無い事は大きな問題ではなかった ようです。  
       特に、我が家ではテレビも殆どの期間設置せず。ビデオも映画も殆ど見せなかった為に、氾濫する子供 目当てのコマーシャルとは無縁で過ごした事も大きく影響していると思います。  
       さて、次回の明日は最も大切な、賢い子供に育てる大切な教育対策の秘訣をお話しする 事にします。  
       
       
        
        2013年10月26日 12:33:06  
   

 
       
       
       
         
   
 
   

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1998. 5. 19   初  版   167p. 7Mb        2013年10月26日 12:33 更新
 

 
       
   

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