育児講座 No.16 親の出る幕! 

 
   

 
      一番最初に苛めの事を取り上げました。今日はその続きです。 長男が小学校に入学したての5月の事でした。帰宅した子供の様子が少し変なのです。聞きただしました。学校の廊下ですぐ 近所に住む4年生のT君に「回し蹴りを入れられた」と言うのです。  
      早速担任のK先生を電話口に呼び出し、善処を求めました。しかし、「1年生の新入そうそういじめなどはクラスに存在しない。」 とまじめに対処する様子がありません。仕方なく、新任のH校長に詳細を記し善処を求めて手紙を送りつけました。 もし善処されなければ市教育長と市長に直談判し、校長を追い詰める決意をしていました。  
      校長から、自宅に電話連絡があり、 ようやく担任のK先生が、4年生のT君を呼び出して話をしてくれました。先生いわく「T君は、 A君とお友達になりたかっただけだと思います。」という回答でした。「馬鹿らしい、 4年生が弟もいない新1年制の教室に行って、友達になりたいから回し蹴りを入れる馬鹿が何処に居る。」と思いました。   
      そしてすぐに、ご近所であったためお母さんと当人が自宅にお詫びに来ました。そして 「もう二度としない。」と頭を下げて本人に謝りました。 それでいじめは収まった様子でした。しかし、そうではなかったのです。真相がわかったのはそれから7年後でした。  
      その話を子供の口から聞いたのは、念願の附属中学に入学し、附属小学校であの悲惨な痛ましい事件が起きた直後でした。 市立小学校時代の友達に関わる 可能性が無くなったから言ってくれたのだと思います。  
      あの時、息子はクラス全員に無視される苛めに合っていたのだそうです。そして、クラス全員を敵に回してとうとう取っ組み合いの 喧嘩になったというのです。そして、息子 一人でクラス全員を負かしたと言うのです。何しろ、体格はクラスで一番大きく、しかも運動能力は親も感心するほど在りましたので、 とてもかなわなかったのです。

 
     そこで、クラスのお兄ちゃんの知り合いで武道の心得の在るT君のお出ましとなったのでした。あの時、良く校長を引き出して、 親と本人に謝らせておいて本当に良かったと思いました。  あのままいじめがエスカレートしていたらどうなったのか危ない所でした。   
      それ以後、成績でも、運動でも、喧嘩でもかなわない息子に関わる上級生もいなくなり、 クラスでは別格となって6年間をなんとか無事にやり過ごしました。  
      息子が苛められたのは仕方の無い事だと思っています。その原因は自明でした。親が言うのも変ですが、大変おとなしくてかわいい男の子でした。 そしてお行儀が良く、言葉づかいも幼いのに敬語を使うなど、普通の子供とは随分と違った様子だったのです。  
      本人が附属を受けたいと小さいころから言っていたので、自宅から随分と遠くのしつけの厳しい事で有名な幼稚園に通っていました。 誤解の無いように言っておきますが 、親が行かせたわけではありません。自宅から通園可能な目ぼしい幼稚園を10園選んで、全て自転車の後ろに乗せて見に行きました。 そして息子が自分で気に入って選んだのがその幼稚園だったのです。  
   

以前記しましたが、附属小の試験は合格したのですが、そのあと自分で引いたくじ引きで落ちて、自宅近くの市立小学校に入学したのです。 当時は地域は高齢化で子供が少なく、新1年制が一クラスに なるか2クラスになるかで揉めていましたので、うちの息子が入学手続きをして漸く2クラスに落ち着いた様な状態でした。   
      学校の隣の市立保育園や、近所の市立幼稚園と私立幼稚園から来る友達のグループがが出来ていたのです。 そんな中に異質で、グループに属さない友達のいない、 いい子がいればやっかみで苛められるのは当たり前のことだったからです。  
     主犯はちょっと裕福なご家庭のY君と初めから分かっていました。 クラスで一番に成れない原因を作っている奴が憎かったのです。先生にも親にも「いいこ」 を上手に演じていて、まさかこの子か苛めの主犯とは誰も気づかなかったでしょう。 勿論今も。その仲間(手下)と女の子達が加わって、小さなクラスが友達のいない子を苛める為にまとまるのは自明だったのです。   
      もし、「あの時を逸してしたら」と思うと今でも身震いします。幾ら本人が強くとも、 上級生を巻き込み陰湿ないじめが続いたら、その上教師の見る目のなさに 子供は不信を増長し、すっかり学校不信になり登校拒否に陥ることは必然だったのです。 そして、友達にも、教師にも、学校にも、親にも不信を抱き、世の中に出て行く意欲を喪失し引きこもりに活路を見いだすか、 自殺に追い込まれる以外に道はなかったことでしょう。  
      学校は本当に怖い閉鎖社会です。 そして、幼い子供がその中で自分の場を見いだすまでは先に産まれた者は心する責務があると思うのです。 その様な、何時来るかわからない 重大な親の出番を見過ごさない事は本当に大切だと思います。   
         
         
       
        
        2013年10月26日 14:06:56  
   

 
       
       
       
         
   
 
   

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1998. 5. 19   初  版   167p. 7Mb        2013年10月26日 14:06 更新
 

 
       
   

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