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		育児講座 No.19 教会教育

		一番最初に、「教会では一切の育児プログラムを用意していない」と記しました。教会では子供会もまた教会学校もさらに子ども向けの礼拝のプログラムもないのです。
		これには深い訳があります。早速その「訳」をここにご紹介する事にします。それは、長女が中学生になった時の一言でした。
		ずいぶんと生意気になった娘は、私にこう言ったのです。「お父さん、何故私が洗礼を受けないか分かる？　それは教会学校の先生がたの姿に幻滅したからよ！」と切り出したのです。
		「幼児の頃、教会学校の先生方が周囲に人が居る時とそうでない時の言動があまりに違っていたからよ。私が幼児で物が分からないと思ったのね。その醜さにいやになって、洗礼を受けない決心をしたの。」と言ったのです。
			あんなに可愛かった娘もすっかり生意気になっていました。
		教会学校の教師達は皆、社会的にもまた人柄も善い人ばかりでした。しかし、人の前や口先では、良い人のふりをしても、陰ひなたで豹変する人があったのです。
		大切な幼い子供達の指導を日も浅く経験もない青年や見かけ倒しの人に委ねる事の危険性を思い知らされた一言でした。幼い子供達の教育は他人任せにしてはならないのです。
		以後、教会学校は徐々に縮小し、廃校にしました。それ以後は子ども向けのプログラムは一切とりやめてしまったのです。しかし、何もしていないと言うのは全くの嘘で、実は色々と小細工をしました。
		一番改善したのは、何も変えてないはずの礼拝のプログラムです。説教も賛美もまた週報も見た所は何一つ変化はありません。しかし、子供が大人の礼拝に出ても退屈しない様に随分と配慮しました。
		礼拝のプログラムを全てプロジエクターで正面の大スクリーンに投影したのです。賛美歌や聖歌の歌詞も投影しました。歌詞には出来る限り難しい漢字を用いたのです。さらに小さな子供達が一番前の席に座る様にしました。自然に難しい漢字の読み方を会得するためで、文語文の物も入れる様にしています。
		日本語だけではありません。難しく長い英語の賛美も加えました。覚えられるまで2月ほど同じ曲を歌います。発音も英語の出来る方に時々指導して頂きます。一番上手に歌えるのはやはり幼い子供達で苦手な大人達には忍耐をお願いしています。
		子供達が受験期を迎えるころにはレパートリーが１００曲程になります。知られた曲ばかりで、英語としても優れたものばかりです。その中に登場する単語数は１万を超え、しかも文脈中での使い方が自然に備わっています。
		礼拝でのお話には、聖書や教会の歴史背景も加えています。当然、世界史と深いかかわりがあり、年代に加えて地理なども出来るだけ視覚教材で確認できる様にしています。
		抽象的な内容は幼い子供は理解できません。しかし、言葉と一緒に絵と説明があれば大人と同じ内容の説教を子供でも理解出来るようです。大人は忘れてしまいますが、子供達はいつまでも覚えていてくれます。
		こんな簡単な事なのですが、我が家の子供たちにはかなり役に立った様です。特別な事はこれ以外にしていませんが文系科目は皆、偏差値で軽く80以上、センターレベルの得点も常に95%以上をとってきました。単なるテストの点数にすぎませんが本人たちは大変助かったようです。
		子供だけの教会学校では、そこで話される内容はどうしても不十分になる様です。またそこに出席する幼児には、それぞれに大人が付き添わないと騒がしく、教師の話しを聞かずに歩き回ったりする悪い癖がつき易い様です。両親が隣に座り周りの大人たちが見守ってはじめて1時間もの長い緊張が可能になるのです。
		幼い間に1時間を我慢して椅子に座り、さらに長いお話を聞くしつけと資質を付けてしまうのです。そうすれば学校でも同じようにして、よく先生のお話に集中出来る様になります。これさえ出来れば家では殆ど勉強しなくとも学校の成績が向上するのは当然の結果です。
		大切な幼児期を無為に過ごしてしまっては子供の将来に禍根を残します。本当に子供の立場に立って教会のあり方を考えるなら、初代教会や旧約の時代の様に親子が一緒に神の前に出ると言う、聖書の時代に連綿と成されていた基本が大切にされるべきなのではないでしょうか。
		しかし、イエスは幼子たちを呼び寄せて、こう言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。止めてはいけません。神の国は、このような者たちのものです。」　ルカ18章16節


		礼拝で投影するプログラム	2013年10月26日 12:11:20






		このホｰムペｰジの引用等は承諾を必要とします。リンクは作成自由です。 1998. 5. 19 初版 167p.　7Mb 　 2013年10月26日 12:11 更新

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