育児講座 No.15 嬰児教育! 

 
   

 
      子供が産まれた時から教育は始めました。いったい何をしたと思いますか? 子供が泣けばすぐにあやし、おむつも、授乳(最初は母乳で3月ほどしたら殆どミルク)もこまめにしました。何しろ父親も家にいて育児に専念できたからです。  
      赤ちゃんは大体2時間サイクルで同じことを繰り返しますので、家内と私が交代であやしました。そうは言っても、私にも仕事(牧師業)がありますので大抵昼間は家内が主体、夕方から深夜が私の当番と言う感じでした。  
   

 娘も息子も随分と私の背中におんぶしました。清水港は夏蒸し暑く牧師館には冷房も無かったので涼みがてら深夜の町をおんぶで散歩した事が多々ありました。  
      「肺の成長の為に泣かした方が良い」という話しも聞きましたが、全く意に介しませんでした。なにしろ大きな声で泣いてくれました。親がすぐに対応するのが分かっている為か、真っ赤な顔をして涙をポロポロこぼして泣きました。おむつか?ミルクか?、病気か?要求を判断して話しながら作業しました。その時、出来るだけ赤ちゃん言葉では無く、普通の言葉をつかいました。子供の言葉の習得の為です。  
      寝たきりの赤ん坊ですが゛その時に足や手の平を摩りました。そして抱き上げて、揺すりながよく外を散歩しました。首が座るとおんぶもし乳母車にのせて色々な物を見に行きました。 電車、バス、消防車、救急車、ごみ収集車、タンクローリー、その度にその単語を言って聞かせました。勿論絵本もカルタも小さい内から始めたのです。  
      「高い高い!」 や「ぐるぐる回し」も子供が笑顔で喜ぶ限りしてやりました。じきに遊園地で遊べるようになり、2歳でブランコを思いっきり漕げるようになっていました。まだおむつが取れないのに。子供は手をかければ掛けるほど成長が早くなるように思いました。   
      これには実は、独身時代にボランテイアで重度の心身障害児のリハビリのお手伝いをした事か大きく影響していたのです。これからその事をお話してみたいお思います。  
      3歳ぐらいでぐったりと寝たきりで寝返りも出来ないE君でした。医師から「この子は、一生自分で食べる事、歩くことも出来ない、6〜7歳まで生きるが精一杯だ。」と宣告されていたのです。ご両親は大変優秀なご夫妻で した。 その医師の言葉を信頼せず、米国の先進のリハビリを会得して、そのために5人一組のボランテイアを数組募られたのです。私もその一人として参加しました。  
      最初はE君を大人の腰の高さに作った、畳みのリハビリ台にうつ伏せに寝かせます。そして一人は前からE君の顔の頬を両手の平で掴みます。2人はその台の左右に立ち、片手に手の甲をもう一方の手で足の甲を掴みます。そして3人で歩く歌を歌いながら、E君の手足の平を左右交互に台の畳み面に擦り 、はいはいの動作を感触させるのです。顔は勿論手足の動作に合わせて左右を向けます。これを5分ほど続けます。歩く訓練なのです。  
      終わると、すぐに別の一人が背もたれの付いた回転椅子にE君を柔らかい布紐でしっかりと縛りつけます。そして右に30回そしてすぐに反対方向に30回と5分程繰り返します。平行感覚を養う為です。   
      次にE君の手の平をぶら下がり棒につかませて、それを二人がかりでサポートしてぶら下がりの状態を数分体験させます。  
      それが終わると、ひらがなや漢字の文字、写真、絵なとが書かれた小さなカルタ大の数百枚のフラッシュカードを目の前に1秒程提示してそこに在る絵や字を読みます。物と言葉と文字を教える為の訓練です。  
      手にスプーンを布で結わえ付け、脇から手をもって食器に用意された流動食を口に運ばせ、咀嚼も手でさせてあげました。  
      これが毎日、朝昼夕と数年繰り返されたのです。するとどうなったと思われますか。そう、6歳の頃には自分で立ち、着替えも出来、歩いて特殊学級のバスに乗り、普通に自立した生活 が出来るようになるのです。勿論、能力の進歩に合わせてリハビリのや方も変化しました。  
      本当に驚きました。それ以前に同様の障害をもったT君を知っていました。だから、そのリハビリの効果と、歴然とした成果に感嘆しました。  
       私は、これらは普通の元気な赤ちゃんの成長の促進にかなり有効であろうと考えたのです。ですから、自分の子供には出来るだけ時間をかけて、手をかけて話しかけ、ふれあい、連れ出して 、このE君のした訓練と同質の体験を、家内と協力しながら幼いわが子に施したのです。  
      その結果、子供達は小学校に上がるころには、体格も運動能力も、知能も周囲の子供とは格段の差が付いていました。そのあとは殆ど何もしなくとも、いやしてやれなくとも、たくましく育ってくれました。  
   

 

長女も長男も8ヶ月でアンヨが上手に出来ました。  
      やはり、小さい時、特に3歳までの親の接し方が、子供の資質を大きく左右させるのだと実感しています。「3才子の魂100迄」とは良く言ったものです。  
      もちろん、何もかも完璧にしてやることは物理的にも、精神的にも、様々な制約が在るでしょうが、子供の為を思うなら親の出来る限り、幼い時にしてあげることが肝要と思います。勿論、子供の健康状態や、差異にも配慮し、子供が喜び望んでいる範囲で親が出来ることをベストを尽くしてあげるなら、きっと子供はその幾倍も親に結果でお返しをしてくれるように思います。  
        
        2013年10月26日 11:58:58  
   

 
       
       
       
         
   
 
   

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1998. 5. 19   初  版   167p. 7Mb        2013年10月26日 11:58 更新
 

 
       
   

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